【整形外科医 x SFMA】
SFMAセミナーには毎回、数名の整形外科医にご参加いただいていますが、先日の和歌山SFMAにも2名の整形外科医にご参加いただきました。
今回は、そんな整形外科の2名の先生に、参加の理由とご感想をいただきました。
医師、セラピスト、トレーナー、コーチが同じフィロソフィーのもと、共通言語で意思疎通ができる時、これまでとは違ったサービス・連携が生まれる可能性を感じますよね!?
Move Well. Move often!!
◯松浦孝紀 医師
西宮渡辺病院 整形外科
参加理由
私がFMS、SFMAを受講したきっかけは、先輩の整形外科医師からのすすめでした。整形外科の先輩から、運動器疾患を診る上で、FMS・SFMAを受講したことで、自分の診察の幅が広がったという生の意見を聞いたことです。その意見を聞いた段階では、あまり実感がわきませんでしたが、SFMAで取り扱う疼痛というキーワードにもひかれました。
私自身、リハビリも含めた運動器を診る上で、セラピストと一緒に協力し、同じ方向性をもち、運動器疾患をワンチームで診ることは非常に重要だと感じています。ただ整形外科医師は、患者の運動器疾病を診て、治療することは得意なのですが、運動器の疾患にならないようにするという「予防」という点については、非常に疎いと自分自身感じていました。つまり医師は、疾患治療に対する手術加療・保存療法に対するプロトコールについては理解しているが、セラピスト一人一人が行っている筋肉の緊張緩和や体幹のトレーニング等については正直理解できていなというのが本音でした。そこで、セラピストとの共通の言語と知識を会得し、自分自身も疾病だけではなく、運動器の構造に対する理解をもっと深め、疾患予防をすることが出来れば、普段診ている患者様に還元できるのではと考え、参加しました。
受講した感想
SFMAは、普段私自身が患者を診る上で、これまでしたことのない評価方法もたくさんあるのですが、これまで行っていた診察技法も多く含まれています。ただ、病気ではなないので、いつも筋肉の柔軟性がないね、体が硬いねと一言でおわった診察を、より深く系統的に運動器を評価するきっかけになりました。
機能不全という言葉を利用し、様々な運動器を評価し、現在の疼痛の原因を突き止めるという手法については、非常に勉強になりました。これまで痛みのメカニズムについて基礎的研究も行ってきたのですが、人の運動器疼痛を診る上では、身体は様々な組織が連動していることを頭にいれ診察しなければいけないと思いしらされました。
SFMAを理解することは、診察技法の更なる向上につながり、普段の患者さんを診る上でも、多くのアドバイスが出来、セラピストと共通の言語になりえると感じました。私の先輩が言っていた診察の幅が広がるということの意味が理解でき、今後普段の臨床の現場でも実践していきたいと考えています。ありがとうございました。
◯佐々木貴英 医師
和歌山県立医科大学紀北分院 整形外科
参加理由
私がSFMAを受講した理由は2つあります。1つ目は、リハビリが整形外科診療の根幹をなす重要な要素である一方で、セラピスト個人の経験に依存する部分が大きいと感じていたためです。リハビリの評価に再現性のある客観的な指標が必要だと考え、SFMAを受講しました。2つ目は、私自身、疼痛がある局所に画像検査で異常所見が認められなかった場合、適切なアプローチ方法を持ち合わせていなかったことが理由です。特にスポーツ障害では、局所以外に問題があることも多く、現状ではリハビリをセラピストに丸投げしてしまうことが少なくありません。SFMAを学ぶことで、セラピストとコミュニケーションを取るための共通言語として役立つのではないかと考えました。
受講した感想
SFMAでは全身をシステマチックに評価し、各部位をrule in/outしていくため、抜けなく論理的に、疼痛部以外の場所も含めて疼痛の原因となっている機能障害にアプローチできると感じました。病院やクリニックでは疼痛部に解剖学的異常が認められる患者様も多いですが、そのような患者様に対しても局所治療に加え、SFMAを取り入れ疼痛部以外の機能不全を改善することで、疼痛の軽減や再発防止に役立つのではないかと考えます。ぜひ実臨床に取り入れていきたいと思います。このたびは素晴らしいセミナーを受講させていただき、誠にありがとうございました。